2024/05/01 (水)
エンディングノートとは、「終活」の一つとして作成しておくノートのことで、自分が亡くなった時のために備えて作成するものです。エンディングノートを書くことで、人生の最期をどのように迎えるか、ご自身のこれからの人生をどのように過ごしていくのか、一つずつまとめて、晩年を充実させる一助になるのがエンディングノートであります。
エンディングノートに近いものとして「遺言」や「遺言書」があります。
「遺言」は法律的に制約を受けない手紙や音声を言います。故人が伝えたいメッセージを書き残すものです。内容や形式は自由です。これらは遺族に対するメッセージであったり、今後のことについて書かれています。
「遺言書」には、法的拘束力があるという特徴が挙げられます。ご自身の死後に、効力を発生させる目的で前もって残しておく意思表示を言います。法的には、遺言は「被相続人の最後の意思表示」ということで、本人の逝去に一番近い時に残した意思表示のことを言います。
1)家族へ自分の想いを託すことができる
希望する葬儀や家族に自分の代わりにしてもらいたいことを託すことができます。遺言書でも伝えられるかもしれませんが、エンディングノートの方が事細かにご自身の希望を伝えることができます。また、家族一人一人へのメッセージも、ノートでしたら思いついた時に一行でもいいですし、または数ページに渡ってじっくり書き記すことができますので想いを残しやすいといえます。
2)家族一人一人に伝えたい内容の整理ができる
家族に対してどのようなことを書き残したらいいのか悩まれている方でも、エンディングノートを使用すれば伝えたい内容の整理ができます。なぜなら、エンディングノートにはあらかじめ必要な項目などが用意されており、その項目ごとにまとめることができるからです。
3)人生の振り返りができる
エンディングノートには財産や相続、家族にこれからどうして欲しいかなど書くのとは別に、自分が今までどのように生きてきたか書くこともあります。その項目を通じて今まで自分がどのような人生を歩んできたのか振り返ることができます。
振り返ると同時に、エンディングノートを通じて感じたことを大切にしましょう。家族がいらっしゃれば、このノートの存在をどう伝えるのか、機会があれば伝えてみましょう。それぞれの思いは家族であっても伝わってないことが往々にしてございます。
ご家族の関係を取り持ち、やるべきことが整理できたことで、これからの日々を元気に生活していくことができるでしょう。それこそが一番にエンディングノートを上手に活用していると言えるのではないでしょうか。
まだまだメリットはいくつかありますが、ここでは主なメリットについて述べさせて頂きました。ここからは、実際にエンディングノートにどういった内容を書いていくのかご紹介させて頂きます。
エンディングノートは、先述の通り法的な拘束力はありません。そのため、自由に記載して構いませんが、ここでは一般的な項目を8つ紹介します。
1.自分の基本情報について
本籍地や年金証書などの基本情報を書くことで、万が一の時に必要な情報が一目瞭然となり残された家族が助かります。また、好きな食べ物や趣味など内面的な部分を書くことで自分自身を振り返り、今後何をすべきかも見えてくるでしょう。
□生年月日
□本籍地
□血液型
□家族
□家系図
□学歴、職歴、資格
□マイナンバー
□運転免許証番号、健康保険証番号
□人脈、仲間
□趣味・特技
□好きな食べ物
2.財産・資産について
年金証書や保険証書、介護保険証や健康保険証、通帳・印鑑、貴重品などの保管場所は家族であっても知らないケースがほとんどです。保管場所などを書いておけば家族が対応しやすくなります。
□預貯金
□金庫などに保管している現金
□不動産
□有価証券
□貴金属
□骨董品など価値のあるコレクション
3.身の回りのこと
SNSなどのデジタル情報はIDやパスワードがわからないと永久に残ってしまいます。アドレスやパスワード、退会手続きなどの操作方法をノートに記入しておきましょう。
4.家族・親族・親しい友人について
家族や親族、親しい友人との思い出や感謝の気持ちなどを残しておきましょう。形見分けリストを作っておくのもおすすめです。誰に渡そうかと考えるのも思い出を振り返るいいきっかけとなります。また、連絡先をまとめておくことも重要です。亡くなったことを連絡してほしい人がいる場合には、その旨記載しておくことをおすすめします。
5.ペットについて
残されたペットを引き取り、きちんと世話をしてくれる人を決めておかなければなりません。ペットは家族ですから、性格や好き嫌い、病歴なども記入しておきましょう。
6.医療・介護について
末期の状態になった時、家族は延命措置などの決断を迫られます。精神的負担を減らすためにも自己判断ができなくなった時の対応方法を決めておくことは大切です。また、認知症などで意思疎通ができなくなった場合も考えて、介護のことや費用について、アレルギーや持病、病歴、常備薬についても記入しておきましょう。
7.葬儀・お墓について
密葬や家族葬など葬儀の形態が変化しています。家族と死について話しづらいなら、自分がどのような葬儀をしたいかについて考えておくとよいでしょう。
□葬儀の方法(密葬・家族葬など)
□納骨の方法・場所
□お墓について
□遺影に使う写真
8.相続・遺言書について
遺された家族同士でトラブルにならないよう遺言を残しているなら保管場所を記しておきましょう。また現金、預貯金、不動産、有価証券などの相続財産を整理しておくのも有用です。借金も相続財産となるため、正確な金額を書いておきましょう。
エンディングノートについて一通りご説明させて頂きました。ご自身にとっても、ご家族の為にも大変意味のある有用なノートですので、是非一度エンディングノートを手に取ってみたらいかがでしょうか。エンディングノートは、急いでまとめる性質のものではありません。こちらを手にした時に感じる素直な想いを大切にして、目に留まったページに一言でいいので書き込んでみることをお薦めします。家族葬のミツギでは、生前相談を承っています。気になることがあればお気軽にご相談下さい。